2013年3月4日

進化論の総合と植物学 Mayr, "Botany: Introduction"

The Evolutionary Synthesis: Perspectives on the Unification of Biology, With a New PrefaceThe Evolutionary Synthesis: Perspectives on the Unification of Biology, With a New Preface
Ernst Mayr

Harvard University Press 1998-02-15
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Ernst Mayr, "Introduction," in The Evolutionary Synthesis: Perspectives on the Unification of Biology, With a New Preface, ed. Ernst Mayr and William B. Provine (Cambridge, MA: Harvard University Press, 1998), 137-138

植物学は進化論の総合において、あまり重要な役割を果たさなかった。その理由として、植物学は動物学にない二つのハンディキャップに直面していたことが挙げられる。一つは、標本を調査する研究者と野外で調査する研究者とが別々で分かれていたことである。もう一つは、植物の遺伝の仕組みが動物のそれに比べて複雑であり、倍数性や遺伝子侵入、単性生殖、細胞質遺伝、表現型可塑性などといった現象が理解されるのを待たなければならなかったことである。また、植物種の複雑性のため、種概念について研究者たちが統一された見解をとることができなかった。

植物学における標本の採り方についてmass collectionsの概念を推進したのはW. B. Turrill, Norman Fassett, Edgar Andersonらで、特にAndersonは個体群の概念を植物学者たちに広めることに貢献した。そして何よりも、Stebbinsの『植物の変異と進化』が植物学に進化論の総合をもたらした。

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